勤務社労士2年目だった私がお客さんに 「この分からず屋が!!!」と言われたときに救われた話
普段は社会保険労務士として同一労働同一賃金のブログを書いていますが、ちょっと息抜きをさせてください。今回は読書感想文です。
私は営業やコンサルとして人と一対一で話す仕事をしています。皆さんも同じだと思いますが、実に人間のこだわり、ポリシーは様々であることに気付かされます。
ときどき「ええっ?!」と思うほど価値観のズレた人間に会うこともあれば、不思議なほど波長の合う人間もいます。
言葉遣いにこだわる人、分かりやすさにこだわる人、どこか友達のようにフランクに接することを望んでいる人、ノミニケーションを大切にする人、本音で話し合うことを大切にする人………実に様々です。
相手のことを理解することって、本当に難しいです。究極的には「無理」だと思っています。
法律事務所はトラブルがつきものです。人間は何かトラブルが発生したりすると、とにかく相手の本心を探ろうと躍起になってしまいます。
この人は何を望んでいるんだろう?何をして欲しかったんだろう……と。
そして普段から相手の性格を読み取ったり、腹を探るようになってしまい、挙げ句「どうすれば他の人と分かり合えるんだろう?」と迷宮入りします。そしてこれには凄まじいパワーを使います。
「子どもの難問」というタイトルですが、内容は大人向けです。
目次を読むと、
「ぼくはいつ大人になるの?」
「死んだらどうなるの?」
「なぜ生きているんだろう?」
「悪いことってなに?」
「芸術ってなんのためにあるの?」
「心ってどこにあるの?」
「えらい人とえらくない人がいるの?」……
誰もが一度は考えたことがある疑問ではないでしょうか。この本は、私達が子どもの頃から抱いてきた、そして永遠に未解決の難問に、いま日本で活躍する哲学者が回答しています。
(一人一回答というのが面白さのミソだと思います。問いに対し、答えている人の価値観が全て違うので、次の質問でどのような答えが書かれているのか予測できないのです。)
この本の中で「どうすれば他の人と分かり合えるんだろう?」という問いがありました。
私は、そもそも分かり合う(理解する)ということが大切ではないという衝撃の回答、そして他の人を「尊重」することの大切さに気付かされました。
(抜粋)
この問題は、みんな重大問題だと思っているけれど、本当はそうじゃない。くだらない問いなんだ。この問題に悩んでいる人は、第一に分かり合うことは難しいと思っている。第二に分かり合うことは良いことだと思っている。でも、この二つは両方とも間違っている。
・・・
むしろ、心の中に誰にも知られていない思いを持っておく方が大切だ。それこそが君の個性だから。誰にも見えない心の奥で君は自分を育てている。そしてその秘密の一部をごく僅かな人に伝えることで、君は濃淡のある人間関係を作れる。これが、プライバシーが大切にされてきた理由なんだ。皆テレパシーで心の中がお見通しになってしまったら生きやすいだろうか?
……
もしかしたら、人付き合いの上手い人って、無理に相手を理解しようとせず、まず尊重するからこそ上手くいっているのかもしれませんね。
良かったらぜひ読んでみてください!